パン道を極めし者
車に乗り、ラジオをつけ、カフェオレを飲みながらパン屋さんまでドライブ。
休みの日は決まってコレ
朝起きて、一言も発さず、一考の余地もなく、
歯磨き→洗顔→着替え→戸締り→乗車→ラジオON→運転→コンビニ→カフェオレGET→乗車→ラジオON→運転→パン屋
美味しいパンを食べたいという食欲に動かされ、カフェオレを飲み、好きなラジオ番組を聴きながら、晴れ渡る空の下を快適にドライブしていた。
"完璧な休日"〜Perfect holiday〜
…のはずだった
なぜ自分はこんな事を繰り返しているんだろうか。
『もう一軒パン屋行っちゃうぜぇ〜』
『明日休みだぁ〜〜〜、パン行こ』
『おととい、昨日とパンだった事だし、まぁ今日はパンだな』
今となってはパンにも飽き…ドライブコースにも飽き…カフェオレの味も感じなくなり…ラジオはしっくり来る番組がなくザッピングしまくる
完璧に作業と化している。
しかしこの作業を繰り返す自分がいる。
完璧に病気になっている。
危険なニオイがする。
犯罪者予備軍であり、コイツはあらゆるパン関係者に多大な迷惑をかける可能性を秘めている。
コイツは会計前に食い始める非常識セレブ的な要素を含んでいる。
コイツは素手でパンに触りまくる、純粋無垢でありながら、それゆえに罪意識の無い少年の心を持ち合わせている。
『他に美味しそうなパンないかシラァ〜』
的な感じでチラリと周囲の目線を確認し、一度取ったパンを戻すオバちゃんになりかけている。
崖っぷちな状況。
なぜ自分はこんな事を繰り返すのか。
繰り返すことに意味はあるのか。
意味がない事をやれることに意味があるのか。
意味が無ければ金にならないではないか。
金にならない事はやらないのか。
金の亡者か。
銭ゲバか。
ZOZO TOWNか。
最近のZOZO TOWNはどういった目的であの様な振る舞いをしているのか。
堂々巡りの末、たどり着いた答えが、
"無の境地"
パンを買いに行ってるんじゃなく、"無"を感じている。
パン屋に通い詰め、意図せず無の境地に到達した結果、趣味を超越し、休日を超越し、
悟りを開いていたようだ。
それゆえに様々な欲望から解き放たれて、パンやカフェオレ、ラジオ、ドライブのような一般人が娯楽として楽しむものに魅力を感じなくなってしまったのだろう。
なぜコイツは、こんなに穏やかな口調で頭のおかしい事を言えるのか?
頭がおかしいのは元からである。
そして、口調が穏やかなのは………そう!
悟りを開いたからだ☆
Let's open your 悟り !!(with me)
パン好きが高じて悟りを開くに至った。
世のお坊さんは目からウロコでは無いだろうか。
『そっちの道があったのか…』…と。
手順はシンプル。
ただ
歯磨き→洗顔→着替え→戸締り→乗車→ラジオON→運転→コンビニ→カフェオレGET→乗車→ラジオON→運転→パン屋
を繰り返すのみ。
しかし、シンプルゆえに忍耐力を必要とされ、想像以上に道は険しいだろう。
なによりも、自己嫌悪感がエゲツない事になるだろう。
ちょうど今の自分と同じ様に。